こんにちは、ふーこです。
将来の介護に不安がある方や既に介護に携わっている方が抱えるお悩みを解消するため、そふまる工房で管理栄養士として働く上田先生にインタビューしていきます。
前回は食事介助をするうえでの注意点や高齢者に必要な栄養素などについて、話をお聞きしました。
今回も引き続き食事介助のお悩みについて、話をお聞きしたいと思います。
上田先生、今回もよろしくお願いします!
介護に携わる皆様のお悩みを少しでも解決できればと思います。
よろしくお願いします!
食べてくれない時はどうすれば良い?
すでに食事介助を行っている方の中には「介護食を用意したものの、食べてくれない…」というお悩みも多くあるようです。
介護食を食べてくれない原因はどのようなことが考えられますか?
そうですね、すでに食事介助の経験をされている方にとって一番大きな悩みかもしれません。
食べてくれない原因は主に以下のようなことが考えられます。
・食形形態が合わず食べにくい
・体調が優れない
・食べにくい姿勢になっている
・心配事やストレスがある
食事形態については、UDF区分を参考に解決できそうですね!
はい、第一回目でお話したUDF区分を参考に、被介護者に合った食事形態を選ぶことが必要です。
味付けについては、少しずつ召し上がる方の好みの味付けに合わせていくことで、食欲が増し満足感を得ることが出来ると思います。
被介護者の好みを把握するためには普段から注意しておくことが大切ですね。
はい、高齢者の方には和食の煮物がいいと思っていても、時にはカレーやグラタンなどの洋食を好まれる場合もあります。
その日に食べたいものを聞いてあげるのも良いですね。
やっぱり、体調や心配事についても、日々のコミュニケーションが重要なんですね。
その通りです。
食事の場を通して被介護者がどのような様子でいるかを確認し、意思を尊重してあげたり、希望が反映されるように配慮しながらコミュニケーションを取ることも大切です。
そういった配慮や心遣いだけでも、被介護者の不安な気持ちを落ち着かせることができたり、食事を楽しむきっかけに繋がりそうですね。
介護食を美味しく食べてもらうには?
せっかくなら被介護者に介護食を美味しく食べて欲しいと思いますが、
作る側の心構えなど、何か意識しておくことはありますか?
美味しく食べていただくという点でいうと、被介護者の嗜好に配慮した料理にすることが大切です。
今日は何が食べたいか?と聞いてもらうだけでも嬉しいと思います。
また、塩分などの制限がある場合にすべての料理を薄味にするのではなく、薄めの味付けの料理と普通の味付けの料理が混ざっていると食べやすかったりします。
なるほど…!高齢者にとっては塩分量も気になりますよね。
減塩のコツについてもお聞きしたいです。
香辛料やかんきつ類などを利用した減塩の方法がおすすめです。
香りは食欲を増進させてくれる効果もあります。
食欲という観点でいうと、やっぱり味だけではなく見た目も重要ですよね…?
そうですね、盛り付けがきれいだったり、彩り豊かだったりすると食欲がかきたてられます。
食べる準備は、「先行期」という食べ物を認識する段階から始まっています。
見た目が良いということは、食べたいという意欲をかきたて、口に入れてから飲み込むという動作や嚥下反射がスムーズに行える重要な一因になります。
※「先行期」……視覚、嗅覚、触覚などから食物を認識して口に運ぶ前の時期
具体的に、見た目はどのような点に気を付けたら良いでしょうか?
食欲を刺激する色の食材として、赤・橙・黄色・緑などの暖色系の色の食材を意識していただくことが大事です。
食材の切り方が揃っていると料理も美味しそうに見えます。
全部煮物とかではなく、水々しさのあるサラダや果物など調理方法もバラエティに富んでいると食欲をそそります。
美味しそうな見た目であったり、いい匂いがすると食欲がわいてくることもありますよね!
そうなんです。
調理中や盛り付けの過程を見せることで、食欲を促すこともできると思います。
あとは、出来ることは手伝ってもらうのもいいと思います。
料理全体の彩りや盛り付けはもちろん、食器や食卓の雰囲気も大切になってきそうですね!
とても大切です!食事は季節感を味わう機会でもあります。
ランチョンマットを敷いたり、季節の花を飾ったり、これからの時期であれば、テーブルコーディネートをクリスマス仕様にしてみたり、少しの変化でも食事を楽しむきっかけになると思います。
おせち料理や年越しそばなど、行事食も取り入れることで、毎日の食生活にメリハリが生まれそうですね。
マンネリ化しない!
そふまるの美味しいメニュー
仕事をしながら、介護食を作っている方も多いと思います。
少しでも負担を軽減するための工夫などはありますか?
全て一から手作りするのではなく、スーパーで買える総菜やそふまるのような冷凍介護食を利用したり、カット野菜や冷凍野菜などを使用していただければ負担が減ります。
調味料であれば、市販のタレや出汁の素などを使えば時短にもなります。
また千切りできるピーラーや圧力鍋など、調理道具を工夫するのも良いと思います。
そふまるの商品なら全て冷凍で、いつでも簡単に用意できるのがうれしいですね。
食事は毎日のことなので、メニューのレパートリーに悩む方も多いと思いますが、マンネリ化を防ぐために活用できるそふまるのメニューはありますか?
はい!
冬の時期の季節限定商品ですが、「黒毛和牛のすき焼き」は寒い時期、クリスマスやお正月などの行事食としてお客様に喜んでいただければという想いで開発した商品です。
「すき焼き」と聞くと特別感があって、食事が楽しみになりそうですね!
普段の食事が少しでも特別なものになればうれしいです。
他社にはないメニューでしたら、「大豆ミート入りハンバーグ」や「あじの南蛮漬け」、特許を取得している「ソフトもち」があります。また、デザートとして「もちプリン」もおすすめです。
大豆ミート入りハンバーグ
UDF区分:「歯ぐきでつぶせる」
大豆をお肉のような食感や風味に加工した大豆ミートを使用したハンバーグです。
通常のハンバーグと比べて、1個当たりのたんぱく質は3.4g多く含まれ、なんと1.5倍です。エネルギーは21kcal低いので、あっさり食べたい方や低栄養の方におススメです。
ソフトもち(白)
UDF区分:「歯ぐきでつぶせる」
"餅を食べたいがのどに詰まりやすいので心配"
"安全で食べやすいお餅が欲しい"
そんなお声に応えた飲み込みやすいお餅です。特許を取得した独自製法でお餅の粘りを抑えることに成功しました。
もちプリン
UDF区分:「容易にかめる」
おもちが好きな方はもちろん、食べづらいと感じる方に安心してお召し上がりいただけるように粘りやべたつきを抑えた飲み込みやすさが特徴の「スプーンで食べるおもち」もちプリンです。
電子レンジで温めるだけで食べられるのがうれしいですね。
おかずだけでなく、デザートの「もちプリン」も気になります!
「もちプリン」は、おもち特有の粘りやべたつきを抑えた飲み込みやすさが特徴です。
「あずき」と「きなこ」の2種入りで、お好みで抹茶蜜をかけて楽しむことができます。
この抹茶蜜にもこだわっており、是非ご家族皆さんで召し上がっていただきたいです。
「スプーンで食べるおもち」というコンセプトにも惹かれました。
これなら、食欲がない時でも食べてもらえるかもしれないですよね。
ありがとうございます。
少しでも食べる楽しみを味わっていただければという想いで商品開発をしています。
今回は介護食を美味しく食べてもらうための工夫や、食べてくれない時の対処法についてお聞きしました。
今回も貴重なお話ありがとうございました!
次回は食事で対策できる高齢者の物忘れについて、お話をお聞きできればと思います!
こちらこそ、ありがとうございました!
次回もよろしくお願いします。
監修者
上田 稚子(Ueda Wakako) 管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として亜急性期病院にて幅広いライフステージ、様々な疾患に応じた栄養指導をしてきました。
現在は、名阪食品株式会社にて介護食ブランド「そふまる」の研究開発に携わっています。