食事を楽しむことは、健康に生活するうえでとても大切なことです。
食事は高齢者にとって楽しみなものである反面、加齢に伴い噛む力が衰え、食事介助が必要になった方は、何を目安にどんな食形態を選べばいいのかわからなくて悩むことがあると思います。
一人一人の状態に合った適切な食事にすることで、安全に食事を楽しむことができます。
そこで今回は、安全な食事介助に大切な、噛む力の目安と、それに合ったそふまる商品をご紹介します。
食事介助に注意!噛む力に合わせた食事形態を選ぶ重要性
食事介助をする際、被介助者である高齢者の噛む力がどれくらいなのかを正しく理解し、噛む力に合った食事を提供することが重要だと言えます。
例えば、十分に噛みきる力がある方が、かまなくても食べられるような形態の食事を続けると、咀嚼回数が減少し噛む力が低下してしまいます。
噛む力の状態がわからず、安全に食べられるようにと一番柔らかい食事形態を選ぶ方もいるかもしれませんが、間違った形態の食事を続けることで、噛む力の低下につながってしまいます。
噛む力が低下すると、十分に咀嚼することができないため、誤嚥したり唾液の分泌量が減少し、口腔内の菌の増殖や消化機能の低下を引き起こしてしまいます。また、食事を楽しむことができなくなり、ストレスを感じりことで食事量が減ってしまい低栄養につながってしまいます。
それぞれの噛む力に合わせた食事形態で食べることで咀嚼力の低下の軽減や、状態の維持につながります。
UDF(ユニバーサルデザインフード)とは?
被介助者の噛む力がどれくらいなのかを知ることが大切ですが、そのレベルを知る一つの指標にUDF(ユニバーサルデザインフード)の基準があります。
日常の食事から介護食まで幅広く使うことができる、食べやすさに配慮した食品です。市販の介護食が増えたことで安定した品質が求められるようになり、2002年に日本介護食品協議会が規格を設けました。
UDFのパッケージには、必ずUDF であることを示すマークが記載されています。
▼【UDFマーク】
UDFは、4つの区分に分けられており、「区分」というのは「食べやすさ」の目安となる基準で、「かたさ」や「粘度」の規格により分類されています。
こちらが商品パッケージの例で、ロゴマークともに区分形状を表示しています。
どの区分に当てはまるのか、日本介護食品協議会が公開しているこちらの表を使って選びましょう。
噛む力の目安や飲み込む力の目安を参考にして被介助者が、どの区分に当てはまるか選びます。
ごはん、たまご、肉じゃがなどの私たちに馴染みのある料理でかたさの目安分けがされているため、とてもわかりやすいです。
軟菜食がこれに当たります。4つの区分の中で最も普通の食事に近い形状とかたさです。具材は一口大の大きさで、通常の食事と見た目の差はほとんどありません。表に記載されているもの以外でも、かたさの目安として苺やりんごのコンポートなどが容易に食べることができます。
区分①「容易にかめる」に比べ、具材はティースプーンに乗るくらいの大きさでひと回り小さくなり、かたいものは食べづらいので、歯ぐきでつぶせるやわらかさになるように配慮した区分です。
かたさの目安だと、表以外にも完熟バナナ、煮込みハンバーグなどが食べられます。
具材をさらに小さくカットし区分②「歯ぐきでつぶせる」よりもやわらかく、口の中でまとまりやすいように配慮された区分です。固形物の具材を含む場合には、舌でつぶせる程度のやわらかさにする必要があります。
かたさの目安だと、魚のほぐし身やみかんの缶詰などを食べることができます。
この区分は、固形物は小さくても食べづらく、水やお茶も飲み込みづらい方が対象となります。ペースト状やゼリー状など、具材や固形物を含まない均質でなめらかな状態です。
かたさの目安だと、絹ごし豆腐、柔らかいプリンなどかまなくても飲み込めるやわらかさに加え、なめらかな喉ごしのものを食べることができます。
安全な食事介助をするためには、被介助者がどのくらい噛む力があり、UDFのどの区分に当てはまるのかよく観察し、その方に合った食事形態にすることが重要です。
参照元:日本介護食品協議会
UDF区分別、そふまる(商品)のご紹介
そふまるでは、UDFの4つの区分のうち、下記の3つの区分の商品をご用意しています。
① UDF区分容易にかめる
② UDF区分歯ぐきでつぶせる
③ UDF区分舌でつぶせる
様々な食材で豊富な料理をご用意していますが、今回は分かりやすく豚肉を使用したメニューでUDF区分ごとの違いをご紹介したいと思います。
<鹿児島県産 やわらかうなぎ詰合せ>
鹿児島県産うなぎの蒲焼きときざみうなぎを各1個ずつセットにした商品です。
皮まで箸で切れるやわらかさにうなぎを仕上げています。おすすめの一品です。
<豚かつ>
豚肉の繊維を酵素で分解しています。酵素に漬け込む時間を長くし、お箸やスプーンでつぶせるやわらかさに仕上げています。
衣は飲み込んだ際に、喉に引っかかりやすくムセにつながりますので、しっとりとさせることで飲み込みにも配慮しています。歯ぐきでしっかりと噛んでお召し上がりいただけます。
<豚の生姜焼き>
食べやすくするため豚肉を薄くスライスし、酵素でしっかりと漬け込んでいます。調理方法にも工夫があり、焼くだけですとお肉が硬くなるため、最後に蒸すことでしっとりと仕上げています。
そうすることで、スプーンで簡単につぶせる程のやわらかさを実現しています。また、飲み込む際にまとまりやすいよう、生姜焼きのタレに少しとろみをつけています。噛むことが困難な方でも舌でつぶしてお召し上がりいただけます。
本来上記のどのメニューも噛む力が低下すると食べることが困難になるメニューですが、そふまるは調理方法など様々な工夫をすることで本来の見た目を残し、食事を楽しみながら美味しくお召し上がりいただけるよう、噛むレベルに合わせたやわらかさの商品をご用意しています。
今回ご紹介したメニュー以外にも、様々な食材を使った、見た目も美味しいUDF商品をたくさんご用意しております。
被介助者の噛むレベルに合った区分のメニューをこの機会にぜひお試しください。
【UDF区分容易にかめる】商品一覧はこちら
【UDF区分歯ぐきでつぶせる】商品一覧はこちら
【UDF区分舌でつぶせる】商品一覧はこちら
噛む力のレベルを知り、安全な食事介助をするのに非常に便利なUDFです。
市販の介護食を購入するときはもちろん、食事介助をする方が手作りする場合にもかたさの目安などはとても参考になります。
被介助者の方が「かたいものが嚙み切れていないのではないか?」「食事をする際むせることが増えていないか?」など、状態を一度しっかりとチェックしていただければと思います。
UDFを最大限に活用し、それぞれの状態に合った適切な食事を取ることで、安全で楽しい食事を続けていただきたいと思います。