
こんにちは!介護食そふまるライターチームです。
「最近なんだか元気が出ない… 」そんなときは、体に必要な栄養が足りていないサインかもしれません。
中でも注目したいのが、肝臓で作られる“アルブミン”というたんぱく質です。アルブミンは、筋肉や臓器の健康を支え、体調を整えるうえで重要な役割を果たしています。また、血液検査で栄養状態を確認する際の目安としても使われています。
元気に過ごすためには、アルブミン値を意識し、日々の食事で必要な栄養をしっかりと補うことが大切です。
今回は、高齢者がアルブミン値を増やすため の食事のポイントや、取り入れやすい工夫についてご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。

アルブミンとは何か
アルブミンとは、血液中に多く含まれるタンパク質のひとつで、主に肝臓で作られます。体内の水分バランスを整えたり、栄養素やホルモンを全身に運んだりと、健康維持に欠かせない役割を担っています。
高齢者は、食事量の減少や消化機能の低下により、必要なタンパク質が不足してアルブミン値が下がる傾向にあります。アルブミン値は栄養状態を評価する指標ですので、アルブミン値が低いということは、体調不良や免疫力の低下を引き起こす原因になります。まずは、アルブミンが体内でどのように働いているのかを見ていきましょう。
アルブミンが果たす主な働き
アルブミンの働きは多岐にわたりますが、代表的なのは以下の3つです。
・栄養素やホルモンの運搬:脂肪酸、カルシウム、薬剤などを全身に届ける運び屋の役割を果たします。
・抗炎症・免疫サポート:炎症を抑える働きがあり、体を病気から守る手助けをします。
このように、アルブミンは体のさまざまな機能を支える基盤となる存在です。
アルブミン値の低下で起こるリスクとは?
アルブミン値が基準よりも低くなると、体に次のような不調が起こる可能性があります。
・免疫力の低下:感染症にかかりやすくなり、回復にも時間がかかるようになります。
・慢性的な疲労感や食欲不振:全身に十分な栄養が届けられないことで、日常生活にも支障が出てきます。
特に高齢者にとっては、こうした状態が転倒や寝たきりにつながるリスクもあるため、アルブミン値を安定して保つことがとても大切です。
牛肉の甘辛煮
価格:728円(税込)
UDF区分:歯ぐきでつぶせる
しょうゆと生姜の香りが食欲を引き出し、たんぱく質をしっかり補えます。アルブミン値の低下が気になる方に、毎日の栄養サポートとしておすすめです。

高齢者がアルブミン値を上げる為の食事のポイント
高齢になると、食事量の減少や消化機能の低下により、血液中のアルブミン値が下がりやすくなります。アルブミンは体内の栄養状態や免疫力を反映する重要な指標のひとつで、低下すると体力や抵抗力の低下につながることもあります。ここでは、アルブミン値を安定させるための食事の工夫についてご紹介します。
アルブミン生成を支えるたんぱく質の役割
アルブミンは肝臓で生成されますが、その原料となるのが「たんぱく質」です。つまり、たんぱく質をしっかりと摂ることは、アルブミン値の改善に直結します。
高齢になると筋肉量の減少が進みやすく、それに伴って基礎体力や免疫機能も低下しがちです。適切なたんぱく質の摂取は、筋肉や内臓の機能維持、免疫力の強化にもつながり、健康的な生活を支える基盤となります。
また、たんぱく質は満腹感を得やすく、食欲が低下しやすい方にとっても、食事の満足度を高める要素になります。
良質なたんぱく質を含む食品の取り入れ方
アルブミン値を改善するためには、日々の食事に「良質なたんぱく質」を取り入れることが効果的です。
具体的には、鶏肉・豚肉・牛肉などの肉類、サーモン・マグロ・アジなどの魚介類が優れた動物性たんぱく質源となります。卵は消化にも良く、調理の手間も少ないため、毎日の食事に取り入れやすい食品です。
さらに、ヨーグルトやチーズといった乳製品は、カルシウムも同時に補える点でおすすめです。豆腐や納豆などの大豆製品も、植物性たんぱく質を手軽に摂取できる優れた食材です。
これらをバランスよく組み合わせて、無理のない形で継続的に摂取することが大切です。
バランスのとれた食事の方法
アルブミンの生成を支えるのは、たんぱく質だけではありません。ビタミンやミネラルなど、補助的な栄養素も大切な役割を果たしています。
主食・主菜・副菜を基本とした食事の形を意識しながら、野菜・果物・海藻類・穀類なども幅広く取り入れることで、全体の栄養バランスが整いやすくなります。
また、一度にたくさん食べることが難しい方は、1日3回の食事に加えて、少量の間食を取り入れる方法も有効です。消化にやさしい蒸し料理や煮物を中心にすることで、胃腸への負担も軽減され、無理なく栄養を摂ることができます。
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和風の煮物や洋風のおかずが楽しめる4食セットです。たんぱく質や野菜をバランスよく摂れるので、アルブミン値が気になる方の健康維持に役立ちます。

高齢者のための具体的な食事例

高齢になると食事量の減少や偏りが見られやすく、結果としてアルブミン値が下がる要因にもなります。ここでは、アルブミンの維持・向上に役立つ「毎日の食事」の実例や食材の選び方、高タンパクなレシピまで、具体的にご紹介します。
日常的に取り入れやすい食事メニュー
毎日の食事には、無理なく続けられるメニュー選びが大切です。
朝食は、目玉焼きとトーストにヨーグルトとフルーツを添えるだけでも、動物性・植物性のたんぱく質をバランスよく摂取できます。また、アボカドを加えると、良質な脂質もプラスできます。
昼食には、蒸し鶏や焼き魚などのメインディッシュに加え、季節の野菜を副菜に取り入れましょう。例えば、ほうれん草のお浸しやきんぴらごぼうなど、和食の定番もおすすめです。
夕食は、豆腐やひじきの煮物、野菜の和え物など、消化にやさしく栄養価の高いメニューが最適です。
少量でもしっかり栄養を摂れるよう意識してみてください。
一日に必要なたんぱく質と食材の選び方
高齢者にとってたんぱく質は、筋肉量の維持やアルブミンの生成を支える重要な栄養素です。目安としては「体重1kgあたり1.0〜1.2g」が推奨されており、体重60kgの方なら60〜72gのたんぱく質が必要となります。
たんぱく質を含む主な食材には以下のようなものがあります。
・植物性たんぱく質:豆腐、納豆、ひよこ豆、枝豆などの大豆製品
これらを毎食に少しずつ取り入れることで、無理なく必要量を満たすことができます。
手軽に作れる高タンパクレシピ
そふまるの舌でつぶせる「さばの塩焼き」を使ったアレンジレシピをご紹介します。
①そふまるの「さばの塩焼き」を規定時間の半分の時間、レンジで温めます。
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②材料のキャベツと玉ねぎは食べやすい大きさに切ります。
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③ 鍋にキャベツ・玉ねぎ・ダイストマト缶・コンソメ・水を入れて煮込みます。
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④ 火が通ったら①のさばを入れてほぐし、ひと煮立ちさせます。
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⑤ 器に盛りつけて完成です。
出来上がりにバジル粉をかけたり、粉チーズをかけるのもおすすめです。是非試してください♪
レシピはこちら 購入はこちら
アルブミン値を増やすための生活のヒント
アルブミンは食事だけでなく、普段の生活習慣も大きく影響します。毎日のちょっとした工夫で、体の栄養状態を良くしていきましょう。
生活習慣の見直し
適度な運動は血流をよくし、栄養が全身に届きやすくします。無理のないウォーキングや軽い体操を取り入れてみてください。また、良質な睡眠もとても大切です。リラックスできる環境をつくり、しっかり休むことで体の回復を助け、栄養の吸収もスムーズになります。
サプリメントの活用
食事だけで必要な栄養が足りない場合は、サプリメントを活用するのもひとつの方法です。タンパク質や必須アミノ酸を効率よく補えます。
ただし、サプリメントはあくまで補助的なものです。食事が基本なので、使用する際は医師や栄養士に相談し、自分に合ったものを選ぶことが重要です。
医師との相談
持病がある方や高齢者は、医師に相談しながらアルブミンを増やす方法を決めるのが安心です。また、アルブミン値が下がる原因には栄養不足だけではなく、肝機能障害や腎機能障害がありますので、まずは医療機関を受診してアルブミンの低い原因について相談してみてください。
医師は生活習慣の改善や必要な検査・治療を提案してくれます。定期的なチェックで体の状態を確認し、無理なく健康を保ちましょう。
まとめ
今回は、高齢者のアルブミン値を上げるためのポイントをご紹介しました。
アルブミンを増やすには、栄養バランスの良い食事がとても大切です。肉や魚、豆類、乳製品など、良質なたんぱく質をしっかり取り入れることで、健康維持に役立ちます。
毎日の食事を見直し、必要な栄養をきちんと摂ることが、高齢者の元気な毎日を支える一歩となります。今回の内容が、皆さまの健康づくりのお役に立てれば嬉しいです。
監修者
上田 稚子(Ueda Wakako) 管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として亜急性期病院にて幅広いライフステージ、様々な疾患に応じた栄養指導をしてきました。
現在は、名阪食品株式会社にて介護食ブランド「そふまる」の研究開発に携わっています。