こんにちは、ふーこです。
これから介護を始める方や既に介護に携わっている方に介護食について知っていただくため、そふまる工房で管理栄養士として働く上田先生にインタビューしていきます。
前回は自宅で作るやわらか食について、話をお聞きしました。
今回は、そふまるで発売当時から愛され続けているロングセラー商品「ソフトもち」の開発秘話について、商品開発に携わっている上田先生に詳しくお聞きしていきます。
上田先生、今回もよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
そふまるの人気商品「ソフトもち」
これまでのインタビューでも何度か話題にあがった「ソフトもち」ですが、どのようなきっかけで開発することになったんですか?
少し長くなってしまうのですが、介護施設でのお雑煮の提供がきっかけでした。
お雑煮といえば、お正月に欠かせない料理ですよね。
はい、施設に入所されている方に行事食を楽しんでいただきたいという想いから、施設でもどうにかお雑煮にお餅を提供できないか?
楽しんでいただくにはどういう提供が良いのか?と打ち合わせがスタッフで事前にあるんです。
そうなんですね。
やはり高齢者にとって誤嚥の恐れがあるお餅は、慎重に提供しているんですね。
お餅をそのまま食べられる方と、窒息のリスクがあるので提供しない方、小さくカットすれば食べられる方など、カットする場合はどれくらいにカットすれば良いかなど、一人一人打ち合わせしていきます。
被介護者一人一人に合わせて提供する必要があるんですね。
ただそれでも安全にお召し上がりいただけるかは、その日の体調などもあり心配です。
お正月は医師を含めスタッフが手薄なこともあり、喫食の際には誤嚥しないか十分見守りながらお召し上がりいただきます。
また施設によっては、お餅は提供しないというところもあります。
お正月にお餅が食べられないのはすごく残念ですよね。
そうなんです。
さらに餅つきや鏡開きの行事イベントで、当日にお餅が提供できないという現状もありました。
そういう状況の中で、「お正月にはお餅が食べたい」という利用者様のお声や栄養士、厨房従業員からの「安全に提供できるお餅を作ってほしい」というお声があり安全に食べられるお餅を開発することにしました。
なるほど...高齢者だけでなく、施設で実際に働く従業員からのお声に応えて開発された商品だということがよく分かりました!
ソフトもち(白)の詳細はこちら
高齢者でも美味しく食べられるおもち
ソフトもちには紅と白がありますが、2色開発された理由を教えてください。
彩りが良くなり、華やかで食欲が湧き気分もおめでたい感じを味わっていただけると思い、2色にすることにしました。
ソフトもちは特許を取得されているそうですが、どのような工夫で粘りを抑えることに成功したのか気になります!
詳しくは企業秘密なのですが、酵素を用いてお餅特有の粘りを分解して、試行錯誤を繰り返しながら食べやすさを追求しました。
開発される際に難しかったことや大変だったことはありますか?
安全に喫食していただくために粘りを抑えるとお餅ではなくなってしまうので、どんな状態になればいいのかイメージがしづらかったところが大変というか悩みでした。
また、製造の際に機械化が出来ないのも大変でした。
実は今でも一部機械で、ほぼ手作業で製造しているんです。
ほぼ手作業なのは驚きです!
ソフトもちのポイントや魅力についてもお伺いしたいです!
お餅特有の粘り気やべたつきが少なく、飲み込みやすいのがポイントです。
お箸やスプーンで簡単に切ることができ、厚みも薄いので食べやすくなっています。
また、うるち米を使用するのではなく、お餅の風味を出来るだけ味わえるようにもち米粉を使用しています。
解凍してすぐに食べることができ、雑煮・おしるこ・黒蜜かけ等の料理で楽しむことができます。
食べやすさだけでなく、美味しさにもこだわっているところが魅力的ですね。
介護食でもおもちが楽しめる
実際にソフトもちを購入したお客様からも好評なようですね!
手作業の多い商品だからこそ、こういったお客様の声はとても励みになります!
毎年ご購入いただくリピーターの方もいらっしゃって嬉しいです。
ソフトもちを使ったアレンジレシピがあればぜひ教えていただきたいです。
商品ページにもありますが、「おしるこ」が特におすすめです!
おススメすぎて、あんこと栗をセットにした「おしるこセット」まで商品化しました。
またソフトもちをデザートにした「もちプリン」も人気なので、ぜひチェックしてほしいと思います。
おしるこ6食セット(ソフトもち・栗入り)
UDF区分:「歯ぐきでつぶせる」
北海道産のあずきの「こしあん」を使用した、程良いとろみの「おしるこ」です。
ソフトもちと栗甘露煮を添えてお召し上がりいただけます。
もちプリン6個入り(あずき・きなこ)
UDF区分:「容易にかめる」
おもちが好きな方はもちろん、食べづらいと感じる方にも安心してお召し上がりいただけるように、粘りやべたつきを抑えた飲み込みやすさが特徴の「スプーンで食べるおもち」のもちプリンです。
もちプリンはあずきときなこの2種類があるんですね!
高齢者だけでなく家族みんなで楽しめそう!
はい!特製の抹茶みつをかけることで美味しさがアップします。
今回は「ソフトもち」の開発秘話をお聞きし、ソフトもちの人気の秘密がよく分かりました!ありがとうございました。
次回は旬の食材の栄養素と調理方法についてお聞きします。
こちらこそ、ありがとうございました! 次回もよろしくお願いします。
監修者
上田 稚子(Ueda Wakako) 管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として亜急性期病院にて幅広いライフステージ、様々な疾患に応じた栄養指導をしてきました。
現在は、名阪食品株式会社にて介護食ブランド「そふまる」の研究開発に携わっています。