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冬のヒートショック・高血圧を予防する減塩のコツとレシピ2選

冬のヒートショック・高血圧を予防する減塩のコツとレシピ2選


11月から4月にかけての寒い季節、浴室内で高齢者が起こしやすい事故としてヒートショックがあります。

寒い時期はしっかり湯船に浸かって温まりたくなりますよね。
そんな至福のお風呂では急激な温度差によって血圧が大きく変動することがあり、特に高齢者は注意が必要です。

今回は高齢者が起こしやすいヒートショックの対策と、高血圧予防のための減塩のコツをご紹介します。

目次3では高血圧予防に効果的な食材を使ったレシピを2つご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

高齢者が要注意な「ヒートショック」とは


「ヒートショック」とは、急激な温度変化がもたらす血圧の変動によって起こる健康被害のことです。

温かい場所から寒い場所へ移動する際、浴室だけではなく、寒暖差が大きければトイレや廊下でも起こる可能性があります。

例えば、暖かい部屋から脱衣所に移動して衣服を脱いだ時には、寒さに対応するために血圧が上がります。
その後湯船に浸かると身体が温まり血管が広がることによって急激に血圧が下がります。

この急激な変動がヒートショックの原因です。

高血圧が引き起こすリスク


高血圧が引き起こすリスク

ヒートショックの要因としてもあげられる高血圧ですが、病気が進行していても自覚症状がほとんどなく、早期発見が難しいのが特徴です。

そのため、放っておくと脳卒中や心臓病・肝臓病など様々な病気を引き起こすことから、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

ここでは高血圧のリスクと予防のために実践していただきたい「入浴の際に気を付けること」と、「食事で出来る対策」をお伝えします。

まず、血圧を高める原因は以下のようなことが挙げられます。

・塩分の摂りすぎ
・喫煙
・過労やストレス
・肥満
・過度な飲酒
・運動不足


高齢者の高血圧の主な原因は血管の老化と言われています。
加齢による動脈硬化で血液が流れにくくなり、心臓はより強い力で血液を押し出さなくてはいけなくなるので、血圧が上がりやすくなります。

次に、ヒートショックを予防するにはどのようにしたら良いのか、入浴の際に気を付けてほしいポイントをご紹介します。

①入浴前に脱衣所と浴室を温めておく
脱衣所には暖房器具を設置し、浴室は蒸気が立つようにシャワーから給湯したり、浴槽の蓋を外しておくなど、寒暖差をできるだけ軽減します。

②お風呂の温度は低めに設定
41℃以上になると心臓に負担がかかるため、38~40℃が推奨されています。 お湯に浸かる時間は10分までを目安に、長時間の入浴は避けましょう。

③浴槽から出るときはゆっくりと
お湯から出る際は、一時的な立ちくらみを起こしやすいため、ゆっくりと立ち上がるように意識しましょう。

④入浴中の高齢者の動向に注意する
ご家族など周りの方は、入浴前にひと声かけるなど、入浴中の様子に異変がないか注意を払うように心がけることも大切です。

次に、高血圧予防のために食事でできる工夫をご紹介します。

高血圧対策のために食事でできる工夫

高血圧対策のために食事でできる工夫

【減塩の目安とコツ】
塩分の摂りすぎは高血圧を引き起こしてしまいます。
普段から塩分を控えることで予防をしましょう。

厚生労働省が定めている日本人の食事摂取基準(2020年版)では、成人男性は1日7.5g未満、成人女性は6.5g未満を目安としています。

美味しく減塩にするためのおすすめのコツは以下になります。

・出汁の味を活かすことで、少ない塩分で美味しく食べる。
・旬の食材や新鮮なものを選ぶと、素材の味が濃く、薄味で済む。
・生姜やレモンなど、香辛料や柑橘類の酸味を活かした味付けにする。
・市販の漬け物は塩分を多く含むため、食べすぎに注意する。自家製の浅漬けがおすすめ。


減塩

【栄養素を工夫した食事】
アメリカで研究された「DASH食」という高血圧の食事療法があります。
DASH食とは、塩分と炭水化物を控えて、カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維・タンパク質を多く摂る食事のことです。

3つのミネラル(カリウム・カルシウム・マグネシウム)は塩分(ナトリウム)を排出し、血圧を低下させる働きが期待できます。

EPAやDHAを豊富に含む魚類、全粒粉や玄米などの穀物類、野菜や果物、豆類などを積極的に取り入れつつ減塩も意識するのが効果的です。

高血圧予防に効果的なレシピ2選

ここでは、高血圧予防に効果的な栄養素を豊富に含む食材を使ったレシピを2つご紹介します。

かぼちゃとレーズンのサラダ
かぼちゃとレーズンのサラダ

★レシピのポイント
かぼちゃはビタミンやミネラルが豊富な食材なので、冬の寒さに負けない強い血管を作るためのおすすめレシピとして考案しました。

また、レーズンはカルシウムやマグネシウムのミネラルが豊富で、レーズンのほのかな酸味がアクセントになっているかぼちゃサラダです。

・栄養量(1食あたり)

エネルギー201kcal
たんぱく質6.4g
脂質8.5g
炭水化物30.5g
食物繊維4.7㎎
カルシウム38㎎
マグネシウム41㎎
鉄1.0mg
ビタミンC55㎎
レチノール当量279μg
カリウム665㎎
食塩相当量0.4g


かぼちゃとレーズンのサラダ材料

〈材料〉2人分
かぼちゃ...1/4個(250g)
サニーレタス...16g
〇レーズン...10g
〇ツナ缶...40g
〇マヨネーズ...20g
〇塩コショウ...少々


〈作り方〉
①サニーレタスは、水で良く洗い食べやすい大きさにちぎります。

②かぼちゃは、火の通りやすい大きさにカットします。(後でつぶすのでざっくりで大丈夫です)

作り方②
③深い鍋でカットしたかぼちゃを茹でます。串がすっと通るくらいまで柔らかくなったら火を止めます。

作り方③
④茹でたかぼちゃを皮ごとマッシャーでつぶします。

作り方④
⑤〇の食材を全て入れます。

作り方⑤
⑥よくなじむまで混ぜ合わせます。

作り方⑥
⑦サニーレタスを盛り付け、その上にかぼちゃサラダを盛り付ければ完成です。

作り方⑦

減塩小松菜の白和え


小松菜の白和え

★レシピのポイント
すりごまをたくさん入れることで香ばしさを出し味にメリハリをつけることができるので、醤油の使用量が減り減塩になります。
ごまや豆腐を活かし減塩かつ動脈硬化の予防にもおすすめの一品です。

・栄養量(1食あたり)

エネルギー66kcal
たんぱく質4.2g
脂質3.3g
炭水化物6.5g
カリウム336㎎
カルシウム134㎎
マグネシウム43㎎
鉄2.0㎎
レチノール当量217μg
ビタミンC14㎎
食塩相当量0.6g


小松菜の白和え材料
〈材料〉2人分
絹豆腐...1/3丁
小松菜...70g(1株程)
人参...40g
〇すりごま...5g
〇濃口醤油...6g
〇砂糖...4g
〇味噌...2g


〈作り方〉
①豆腐はキッチンペーパーに包んで水気を切ります。

作り方①

②小松菜は2cmにカットし、人参は千切りにします。

作り方③
③小松菜と人参を別々に茹でて水気を切っておきます。

作り方④
④ボールに、水気を切った小松菜と人参、豆腐をつぶしながら入れます。

作り方⑤
⑤〇の調味料を入れ、全体がなじむまで混ぜ合わせます。

作り方⑥
⑥器に盛り付ければ完成です。

作り方⑦


どちらも簡単にできるレシピですので、ご自宅でお試しいただき、高血圧に負けない強い血管を作りましょう。

今回は、高齢者が起こしやすいヒートショックの予防策と高血圧予防に効果的な食材を使ったレシピをご紹介しました。

高齢者に多いヒートショックを未然に防ぐためには、健康的な食事はもちろんですが、ご家族や周りの方による配慮や気遣いも重要と言えます。

まだまだ寒い日が続きますので、健康的な毎日を送るためにバランスの良い食事を心がけてみてください。



監修者
丸亀 真依(Marugame Mai)管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として名阪食品株式会社へ入社、特別養護老人ホームの厨房にて、調理業務・衛生管理業務の経験を積む。
その後、保育園・高齢者施設・障がい者福祉施設を担当し献立作成・衛生指導・食育活動に従事しました。
現在はそふまる工房にて、お客様に安心して美味しく食べていただける介護食をお届けするために、日々研究開発を行っております。