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【疲労回復・春野菜レシピ】高齢者でも食べやすくする工夫

春野菜

各地で桜の開花や満開も宣言され始め、春本番になってきました。
今年は3月中に北陸や東北でも桜の開花が始まり、平年より早い桜前線の訪れのようです。

今回は、栄養豊富な春野菜と高齢者の方も楽しめる旬の野菜を使ったレシピについてご紹介いたします。

春野菜の栄養素

春に旬を迎える食材には、高齢の方の健康にとって必要な栄養素が多く含まれています。

春野菜は、ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、疲労回復にも効果的な栄養素が豊富です。ビタミン群は、春先に多い皮膚や粘膜のトラブルにも効果的です。特にこの季節、花粉症に悩まされている方にはかかせない栄養素です。

ミネラルには 基礎代謝や新陳代謝、エネルギー代謝を促し、体の機能や組織を調節・強化し、心身のバランスを正常に保つなどの働きがあります。ミネラルが不足すると体が疲れやすくなったり、肌荒れや肩こりなども引き起こしてしまいます。

食物繊維は腸内環境の改善だけでなく、食後の血糖値の上昇を抑える効果や、ナトリウムを体外に排出する効果があるため、糖尿病や脂質異常症、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

また、栄養素とは別に、春野菜には特有の成分があることをご存知でしょうか?
春野菜は、独特な苦味や香りが特徴のものが多いですが、実はこの成分には体に嬉しい作用があります。

苦味や香りは、植物性アルカノイドやポリフェノールに由来し、これらは老廃物を解毒したり、新陳代謝を促進する効果があるといわれています。

冬は寒さや運動不足によって、代謝が落ち老廃物がたまりがちです。春野菜を食べることで、この老廃物をデトックスすることができます。

また、苦味を構成する成分チロシンは疲労回復や自律神経を整え、豊富なカリウムや食物繊維がデトックス効果を高める作用があります。

春に旬を迎えるの野菜とは?

この時期スーパーなどでも春野菜を目にする機会が多いのではないでしょうか。ここでは、新鮮でみずみずしい春野菜の栄養や保存方法についてご紹介します。

【新玉ねぎ】

新玉ねぎ

通年出回っている玉ねぎですが、春の玉ねぎは水分が多く、特有の辛みが少ないのが特徴です。

「硫化アリル」という成分が含まれており、血液をサラサラにする効果、血栓やがん予防にも効果的と言われています。また、ビタミンB1の吸収を高め、新陳代謝を促進し、疲労回復、発汗、食欲増進に期待ができます。

<保存方法>
冷蔵保存の場合は、新聞紙に包み、ポリ袋に入れて冷蔵室で保存しましょう。新玉ねぎは0℃が最適貯蔵温度です。野菜室よりも温度が低い冷蔵室がおすすめです。10日ほど保存することが可能です。

冷凍保存の場合は、食べやすい大きさにカットしてから保存するのがおすすめです。もしくはみじん切りにして色づくまで炒めてから冷凍するのもおすすめです。保存期間は1ヶ月を目安に使いきるようにしましょう。


【春キャベツ】

春キャベツ


キャベツも通年出回っている野菜ですが、春に多く出荷される春キャベツは通常のものよりも柔らかくみずみずしいのが特徴です。

ビタミンCや食物繊維が豊富で、胃壁の粘膜を丈夫にし、消化を助ける働きがあるといわれるビタミンU(別名キャベジン)が含まれています。

<保存方法>
キャベツは収穫した後も芯から成長する野菜なので芯がついたままだと葉の栄養が芯に吸いとられ、鮮度が落ちてしまいます。

そのため、包丁の刃先で芯をくり抜き、湿らせたキッチンペーパーを穴に詰めてポリ袋等に入れ、冷蔵庫で保存します。キャベツの最適貯蔵温度は0℃です。かさが大きいので野菜室でも構いませんが、この方法で約2~3週間保存することができます。

冷凍保存する場合は、千切りやざく切りなど食べやすいサイズに切ってから冷凍用保存袋に入れて保存しましょう。だいたい3~4週間を目安にお使いください。


【たけのこ】

たけのこ

たけのこは、名前のとおり、竹の若い芽のことを指し、4月ごろが最も美味しいとされています。

たけのこのカロリーは100gあたり27kcalと非常に少なく、たんぱく質もお肉や魚に比べると多くありませんが野菜の中では比較的多く含まれる為、低カロリーでたんぱく質を摂ることができる野菜と言えます。他にもカリウムや食物繊維が豊富です。カリウムは、大根の約2倍、食物繊維はキャベツやレタスに比べて約2倍の量が含まれています。

<保存方法>
たけのこは食べる前にアク抜きの処理が必要です。たけのこは時間が経つにつれアクが強くなりえぐみがでてしまうので、できるだけ早い段階でアク抜きをしてください。

アク抜きをした後は、1週間ほどであれば、水につけて冷蔵庫で保存しておけば美味しくいただくことができます。その場合、水は毎日交換しましょう。

冷凍保存する場合は、だし汁につけるか、砂糖をまぶして保存することで食感を損なわずに1ヶ月ほど保存が可能です。


【菜の花】

菜の花

「春を告げる野菜」とも言われ、春野菜の代表格ともいえます。

春野菜の中でもビタミン、ミネラルが群をぬいて豊富です。特にビタミンCの含有量は、ほうれん草の約4倍含まれています。

<保存方法>
冷蔵保存の場合、乾燥を防ぐために、湿らせた新聞紙などで包んでポリ袋に入れ、根元の切り口を下にして立てて保存しましょう。

冷蔵保存だと4~5日しか持たないため、量が多く余りそうな場合は冷凍保存がおすすめです。冷凍保存する前に、水でしっかりと洗い、沸騰したお湯で茹で、冷水で冷ますことによって鮮やかな緑色と柔らかい食感を保つことができます。

水分をしっかりと拭き取り、保存袋に入れ、冷凍後は3~4週間ほど保存することができます。


【アスパラガス】

アスパラガス

アスパラガスは春先から初夏にかけて旬を迎える野菜です。
アスパラギン酸が多く含まれ、免疫力アップや疲労回復などの効果が期待できます。

他にもビタミンA・ビタミンB群(B1・B2・B6・葉酸など)・ビタミンC・ビタミンEなど、健康維持に欠かせないビタミン類が含まれています。

<保存方法>
アスパラガスは鮮度が落ちるのが非常に早いため、冷蔵保存するときは乾燥を防ぐことが重要です。キッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れ、穂先を上にして保存することで保存性が高まります。

アスパラガスの保存に最適な温度は2.5℃で、保存期間は5日くらいが目安ですが、保存が難しく、鮮度が落ちやすいので早めに食べましょう。

冷凍保存する場合は、下部のはかま部分をピーラーでとり、水気を拭き取ってから保存容袋に入れて空気を抜いて冷凍します。冷凍の場合は3~4週間を目安に使い切りましょう。


【ブロッコリー】

ブロッコリー

ブロッコリーも年中出回っている野菜ですが、春先にかけて旬を迎える野菜です。β-カロテンとビタミンCが豊富で、含有量はキャベツの4倍といわれています。茹でるよりも、炒めたりレンジで加熱することでビタミン類の損失を抑えることができます。

<保存方法>
冷蔵保存の場合は、生のブロッコリーの葉を取り除き、新聞紙に包んでビニール袋に入れて保存しましょう。保存期間は3~4日程度が目安です。

茹でてからの場合は固めに塩茹でにし、キッチンペーパーで水気を取ったあと、保存袋に入れて保存してください。

冷凍保存の場合も冷蔵の場合と同様にしてから冷凍します。保存期間は2~3週間が目安です。ブロッコリーは冷蔵保存では鮮度が徐々に落ちるため、冷凍保存がおすすめです。


そんな春野菜を高齢者の方でも美味しく、簡単に食べることのできるレシピをご紹介します。

簡単に食べやすくするレシピとポイント

料理をする過程で、少し工夫をするだけで手軽に食べやすく、鮮やかな春らしい料理を作ることができます。

毎日忙しく時間がない方でも簡単!電子レンジでできる、春のおすすめレシピを、そふまるのノウハウを交えながらお伝えいたします。

ふわふわ筍入り鶏つくね

ふわふわ筍入り鶏つくね

毎日のお通じにお悩みの方におすすめ!

★ ふわふわ筍入り鶏つくね レシピのポイント
①春のやわらかい穂先筍をつくねの中に入れて口の中でまとまりやすいように仕上げます。

②電子レンジで作るので、ひっくり返したり、火加減を調節する手間もなく簡単に作ることができます。

③お豆腐を入れることでふわふわの食感に仕上がります。

〈材料〉2人前 6個分
★鶏ミンチ.....100g
★豆腐.....75g(木綿でも絹でもお好みで)
★たまご.....1/2個
★長ネギ.....25g(5cm)
★穂先筍水煮.....30g
★生姜チューブ・・・・・・5g(小さじ1)
★片栗粉.....9 g(大さじ1)
☆塩.....少々
☆醤油.....12 g (小さじ2)
☆みりん.....12 g (小さじ2)
☆砂糖.....6 g (小さじ1)
木の芽.....適宜(山椒粉でもOK)


〈下ごしらえ〉

豆腐の水気はざるなどでさっと切る。ペーパーで水気を抑える程度でもかまいません。長ネギはみじん切りにし、飾り用の筍は薄切りにして、残りはみじん切りにします(薄切りの筍でも食べにくい方は、全部みじん切りにしてください)

★ 春らしく仕上げるポイント
長ネギを使用しているので、長ネギの白い部分だけではなく、少し葉の部分を入れるとつくねに緑が入って春らしくきれいに仕上げることができます。

<作り方>
①★のタネの具材を混ぜ合わせ、よくこねる。

②6等分にして、一口大(1個約40g)に丸めて耐熱容器に並べ、上に筍を飾る(少しまとめにくいですが、頑張って丸く成形してください。手で丸めにくい場合はスプーンなどを使用してください。)

★綺麗に調理するポイント
ミンチの上に筍を飾ることで、見た目を華やかに作ることができます。上に飾る筍は出来るだけ薄くカットすると食べやすいです。

③☆の調味料を合わせて、つくねの上の筍を中心に調味料をかける

④ふんわりラップをして、電子レンジ600Wで5分加熱する。
(熱くなっているのでやけどに注意してください)

⑤ 竹串をさして濁った汁がでてこなければ出来上がりです。
(火が通っていない場合は、ラップをして追加加熱してください。)

⑥つくねの上に容器に残ったタレをかけて、木の芽(山椒粉でもOK)をトッピングして完成です。

ブロッコリーのちりめん和え

ふわふわ筍入り鶏つくね

免疫機能を高めたい方、骨を丈夫にしたい方へおすすめ!

★ブロッコリーのちりめん和え レシピのポイント
①電子レンジで調理することで、ビタミンが流れ出るのを防ぐことができます。

②電子レンジで蒸し焼きにすると、茹でて調理するよりも水っぽくならないため、味が濃く感じられ、柔らかく仕上げることができます。

③ちりめんの塩分だけで、春の甘いブロッコリーが美味しくいただけます。

〈材料〉2人前
★ブロッコリー.....100g
★ちりめんじゃこ.....5g(しらす干しでも可)


<作り方>

①ブロッコリーを小さめの小房にわけて、たっぷりの水でよく洗う。

②耐熱容器にブロッコリーを入れて、上にちりめんをのせる。

★美味しく調理するポイント
ブロッコリーは濡れたまま入れてください。水分がなくカラカラの場合は大さじ1の水を加えてください。

③ふんわりラップをして、電子レンジ600Wで2分加熱する。

④出来上がったら、ブロッコリーにちりめんを和えて完成です。
(熱くなっているので注意してください)

★美味しくいただくポイント
ブロッコリーに含まれるビタミンAやビタミンKなどの脂溶性ビタミンは油と組み合わせて摂ることで吸収率が高まります。薄味に仕上げていますので、マヨネーズやオイルドレッシングをかけてみても美味しくいただけます。

栄養豊富な春に旬を迎える野菜やレシピについてご紹介しました。この時期しか食べることのできないものも多いので、ぜひ積極的に食卓に取り入れてみてください。