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【介護食のアレンジレシピ:魚編】鰆(さわら)の西京焼きをリメイク

鰆料理

3月も半ばになり、だんだんと温かくなってきたことを実感します。 スーパーなどでも旬の食材をよく見かけるようになってきました。

春が旬の食材といえば、たけのこや菜の花、春キャベツなど野菜が多くありますが、魚へんに「春」と書いて、「鰆(さわら)」もまさに今の時期にぴったりの魚です。

鰆にはEPA やDHA という成分が多く含まれており、動脈硬化や脳卒中の予防や、記憶力の向上などの効果が期待できます。これらは、人間の体内で作ることができないため、食事から摂取することが大切です。

また、たんぱく質やカリウムも多く含まれており、必要な栄養を効率良く摂ることができる魚です。

そこで今回は、まさに今が食べ頃!豊富な栄養素を摂ることができる、そふまるの「さわら」メニューを使った簡単アレンジレシピと、鰆の豆知識をご紹介いたします。

アレンジレシピ「鰆の五色焼き」


鰆の五色焼き
★ 鰆の五色焼き レシピのポイント


歯ぐきでつぶせる「そふまる さわらの西京焼き」と旬の野菜を使い、春らしく彩り鮮やかに仕上げました。

見た目が華やかになり、食欲増進につながるよう、色鮮やかな食材を使用しています。

鰆に多く含まれる「イノシン酸」と、チーズや味噌に多く含まれる「グルタミン酸」といううま味成分を一緒に食べると、相乗効果によりさらに美味しく感じられ、満足感の高いメニューです。

<2人分材料>
★そふまる さわらの西京焼き......2個
人参......輪切り1.5cm(約15g)
玉ねぎ......8分の1(約15g)
ホールコーン......小さじ2(約10g)
しいたけ......1枚 (10g)
キヌサヤ......2枚 (5g)
☆粉チーズ......小さじ2 (4g)
☆マヨネーズ......大さじ1 + 1/2 (20g)
☆薄口醤油......小さじ1/3 (2g)
さわらの西京焼き

さわらの西京焼き
UDF区分:「歯ぐきでつぶせる」

さわらと言えば西京といわれるほど相性がいい西京味噌。味噌ダレがよくなじみ、味わい深いです。

さわらの西京焼きの詳細はこちら

みじん切り


<作り方>
① さわらの西京焼きを電子レンジで温める。

② 人参、しいたけ、玉ねぎは細かく(5 mm角程度)みじん切りにしてから茹でる。
※茹で上がりはしっかりと水気を切っておく。

③ キヌサヤは茹でてから、水気を切り細かく(5mm角程度に)カットする。


キヌサヤを茹でる
★美味しく綺麗な緑色に茹でるポイント
茹でる際に少し塩を加えることで、キヌサヤの味わいが引き立ち、茹で上がりが綺麗な緑色になります。
しっかりと沸いたお湯に塩を入れ、キヌサヤを一気に入れ茹で時間1分を目安に茹でます。箸で全体を軽く混ぜながら茹でると均一に茹で上がります。

④ ☆の材料を混ぜ合わせ②③の食材とホールコーンを入れてさらに混ぜてソースを作る

⑤ ①をお皿に盛り付けて、その上にソースをかければ完成。

アレンジレシピ 「鰆の野菜あんかけ」


鰆の野菜あんかけ
★ 鰆の野菜あんかけ レシピのポイント


鰆にあんを絡めることで、口の中でまとまりやすく、飲みこみやすくなるため、介護食にはぴったりのメニューです。

春キャベツに多く含まれるビタミンCは、皮膚や軟骨を作るコラーゲンの合成に関わっています。コラーゲンが不足すると血管や、筋肉、皮膚、骨などの結合細胞が弱くなり、健康な状態を保てなくなります。

また抗酸化作用があり、認知症や動脈硬化の予防が期待されます。今回は、ビタミンCの吸収を促すルチンという成分を豊富に含む、今が旬のアスパラと一緒に調理します。

調理の工夫としては、キャベツに含まれるビタミンCは水溶性であるため、茹でると水に溶けて逃げてしまう性質を持っています。蒸すことでより効果的に栄養を摂ることができます。

<2人分材料>
★そふまる さわらの照焼き......2個
春キャベツ......1/6玉(160g)
塩......少々(親指と人差し指でひとつまみ)
酒......小さじ2(10g)
人参......輪切り1cm(約10g)
アスパラ......1本
☆だし......カップ1杯(200㎖)
☆薄口醤油......大さじ1(18g)
☆みりん......小さじ2 (12g)
☆砂糖......小さじ1 (3g)
●片栗粉......大さじ1(6g)
●水......大さじ3(30㎖)
さわらの照焼き

さわらの照焼き
UDF区分:「歯ぐきでつぶせる」

コクのある甘辛い和風味がさわらの旨味を引き立て食欲を増進させます。

さわらの照焼きの詳細はこちら
野菜を切る


<作り方>
①さわらの照焼きを電子レンジで温める

② キャベツは一口大にカット、人参は短冊切、アスパラは食べやすい大きさに斜め切りにする。

★食べやすく調理するポイント
キャベツの芯は固いので、斜めにそぎ切りをすると薄くて食べやすくなります。

③ 深めのフライパンにカットした野菜を入れて、塩・酒を入れて蓋をし中火で蒸し焼きにする。
キャベツがしんなりして、アスパラに竹串が通ればOK

④ ③に☆を流しいれて中火にかけ、温まったところに ●水溶き片栗粉を入れ、とろみがつくまでしっかりとかき混ぜて火を止める。


野菜を温める
⑤ さわらをお皿に盛り付け、その上からあんをかければ完成。

「鰆」は旬が地域によって異なる!


鰆

実は、さわらの旬は地域によって異なると言われています。せっかくなら一番美味しい時期に、家族へ振る舞ってあげたいですよね。

さわらとは、どんな魚?


鰆とは、サバ科の魚。成長し大きくなることで呼び名が変わる「出世魚」の一種でもあります。

関東
約50cmより小さいものをサゴチ、大きいものをサワラ。

関西
サゴシ→ヤナギ→サワラと変化し、70cm以上のものをサワラと呼ぶそうです。

脂ノリがよく、クセがなく上品な甘みが特徴で、刺身で食べると上品な味わいが楽しめます。また、塩焼き・西京焼き・唐揚げなど、幅広い料理で活用できるのでおすすめです。

関東地方・関西地方で旬が違う


さわらの旬は地域によって、2シーズンに分かれています。
また一年を通して日本の沿岸を遊泳している回遊魚で、5月頃になると産卵のために瀬戸内海に集まってきます。

そのため、関東地方では、秋から冬(12〜2月)、関西地方では春から初夏(3〜5月)に旬を迎えるとされています。

<地域別の食べ方>
関東:寒鰆を好み、塩焼きと西京漬けが中心。
関西:春鰆を好み、刺身、照り焼き、塩焼き、西京漬け、かぶら蒸し、押し寿司など食べ方も多彩です。
栄養素がとても豊富


私たちに必要な栄養素がとても豊富なことでも有名です。

<DHAとEPA>
私たちの体に必要不可欠な「必須脂肪酸」の一つであるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が非常に多く含まれています。

この二つの栄養素は、血管の柔軟性を高め、血液の流れをよくする効果が期待でき、生活習慣病の予防に欠かせない成分です。

必須脂肪酸は人間の体内で生成できないため、鰆などの青魚から積極的に摂取することが大切です。

<たんぱく質とカリウム>
鰆100gに含まれるたんぱく質の量は20.1gと非常に多いです。

たんぱく質が多いとされる食材で有名な鶏のむね肉の100gのたんぱく質量が21.3gなので、魚だけでなく全ての食材の中でも高いたんぱく質量であることがわかります。

たんぱく質は私たちの肌や髪の毛、筋肉や臓器に至るまで、人間の身体を作るために必要不可欠な栄養素です。

鰆100gあたりに含まれるカリウムの量は490mgで、生魚の中では3位にランクインします。カリウムは高血圧の予防やむくみの改善などが期待できます。

美味しさ長持ち!鰆の保存方法


冷蔵・冷凍どちらで保存することも可能ですが、保存前にひと手間加えると、くさみが取れて、美味しさを保つことができます。

どちらの保存方法でも必須なのが、「内臓やエラを取り除いてから保存すること。」
しっかりと処理することで、鮮度を長く保つことができます。

<冷蔵保存の場合>
冷蔵庫で保存する場合は、チルド室に保存するようにしましょう。

保存前にしっかりと水分を拭き取り、ラップに包んでジッパーに入れるなど、密閉するのがポイントです。

保存期間は季節にもよりますが1日〜2日くらいが目安です。
また、醤油や味噌などで下味をつけてから冷蔵すると長持ちしやすいため、4日ほどは保存することができます。
<冷凍保存の場合>
冷凍する場合も、水分をしっかりと拭き取りましょう。表面に水分が残っていると、凍らせたときに霜ができ、解凍すると風味が落ちてしまいます。

冷凍庫に入れるときは、冷蔵と同様ラップに包んでジッパーに入れて密閉すれば大丈夫です。

冷凍することで冷蔵よりも保存期間を延ばすことができますが、最大でも2週間以内には食べることが望ましいです。


鰆は、和食・洋食とどんな料理とも合わせていただけます。癖も少なく高齢の方でも美味しく召し上がっていただけますので、ぜひ参考にしてみてください。