少ない食事量でもエネルギー不足を防ぐ|高齢者向け1週間献立の工夫
2026.08.31
こんにちは!介護食そふまるライターチームです。
「以前よりも食べる量が減った」「気づけば体重が落ちていた」——ご家族の食事について、そんな変化を感じたことはありませんか。
高齢になると、加齢や病気の影響で食べられる食品や食事の量が限られ、必要なエネルギーを摂りきれなくなることがあります。エネルギー不足は体重減少だけでなく、体力や気力の低下にもつながるため、早めの工夫が大切です。
この記事では、高齢者のエネルギー不足が起こりやすい理由と、無理なくエネルギーを補うための工夫、そして実際にエネルギー確保を意識して組み立てた1週間献立を、レシピとあわせてご紹介します。
なぜ高齢者は「エネルギー不足」になりやすいのか
加齢による食欲・食事量の低下
加齢に伴い、味覚や嗅覚の変化、消化機能の低下などから食欲そのものが落ちやすくなります。また、噛む力や飲み込む力(咀嚼・嚥下機能)が衰えると、一度に食べられる量が自然と減っていきます。「量を増やして食べてもらう」ことが難しくなるのは、こうした身体的な変化が背景にあるためです。
病気や治療の影響で食べられる食品が限られるケース
持病の治療や服薬の影響で食欲が落ちたり、噛む・飲み込む力の低下により食べられる食品の種類が限られたりすることもあります。塩分やたんぱく質などの制限が必要な場合は、「量」だけでなく「何を選ぶか」にも配慮が必要になり、結果としてエネルギーを摂りにくい状態に陥りやすくなります。
エネルギー不足が招くリスク
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、65歳以上の目標とするBMIの範囲が21.5〜24.9とされており、若年層(18〜49歳:18.5〜24.9)よりも下限が高く設定されています。これは、高齢者の「痩せすぎ」が、フレイル(心身の活力が低下した状態)や生活機能の低下につながるリスクとして、公的にも位置づけられていることを示しています。
同資料では、65〜74歳で1日あたり男性2,100〜2,650kcal、女性1,650〜2,050kcal、75歳以上で男性1,850〜2,250kcal、女性1,450〜1,750kcal程度のエネルギーが目安として示されています(身体活動レベルにより幅があります)。また、フレイル予防の観点から改善が期待できる栄養素として、たんぱく質の確保が重要とされています。
食事量が減った状態が続くと、体重減少や低栄養だけでなく、体力・免疫力の低下、フレイルのリスク上昇にもつながります。「少し痩せただけ」と見過ごさず、エネルギーを補う工夫を早めに取り入れることが大切です。
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
「量を増やさずにエネルギーを補う」ための工夫
食が細くなった方に「もっと食べて」と量を増やすことを勧めるのは、かえって負担になってしまうことがあります。ここでは、食べる量を無理に増やさなくても、少量でしっかりエネルギーを補給できる工夫をご紹介します。
少量でもエネルギーが摂れる食材(芋類、油脂、乳製品などの活用)
じゃがいもやさつまいも、かぼちゃなどの芋類は、少量でもエネルギー源になりやすい食材です。また、油脂や乳製品(バター、牛乳、チーズなど)を料理に加えることで、見た目の量を増やさずにエネルギーを上乗せできます。金時豆のような、甘みがあって食べやすい豆類も、少量で満足感とエネルギーの両方が得やすい食材です。
あんかけ・とろみ・スープ仕立てで飲み込みやすくエネルギーもプラス
噛む力や飲み込む力が弱くなっている方には、あんかけやとろみをつけた料理、スープ仕立ての献立がおすすめです。片栗粉でとろみをつけることで飲み込みやすくなるだけでなく、あん自体にエネルギーや調味料由来の栄養を含ませることができ、一石二鳥の工夫になります。
市販のエネルギー補助食品(メイバランスシリーズなど)の取り入れ方
「品数を増やす余裕がない」「油を使った料理が続くと食べにくい」という場合には、市販のエネルギー補助食品を活用するのも一つの方法です。デザート感覚で食べられるゼリーやアイスタイプの製品なら、食後のもう一品としても取り入れやすく、油っぽさが苦手な方でも無理なくエネルギーを補給できます。そふまるでも、手軽にエネルギー補給ができる「メイバランスアイス」をお取り扱いしていますので、ぜひ食事のサポートにお役立てください。
エネルギー確保を意識した1週間献立の紹介
ここからは、上記の工夫を踏まえて実際に組み立てた、高齢者向けの1週間献立をご紹介します。全体を通して、「油を使った料理が続くと食べにくくなる」という点に配慮し、柑橘の風味やあっさりとした味付けを取り入れることで、エネルギーを補いながらも食べやすさを損なわない工夫をしています。
1週間の献立一覧
★は、そふまるの商品です
各日の工夫ポイント
月曜日
肉じゃがでたんぱく質とエネルギーをしっかり補給。ピーマンと茄子の焼き浸しで彩りが加わり、野菜も無理なく摂れます。冷奴はのどごしが良く食べやすい一品です。
火曜日
食欲をそそるカレーうどんに、メイバランスアイスを添えて食べやすくエネルギーを補います。ブロッコリーの胡麻マヨ和えにはツナ・ごま・マヨネーズを加え、少量でもしっかりエネルギーが摂れるようにしています。
水曜日
金時豆や鮭など、エネルギー源となる食品を取り入れました。特に金時豆は少量でもエネルギーを補いやすく、甘みがあるため食べやすい食材です。酢の物でさっぱりとした味わいを添え、食欲が落ちやすいときにも食べやすいよう、味のメリハリをつけています。
木曜日
甘辛い牛焼肉を主役にした、満足感のある献立です。食後にはやさしい甘さのフルーツミルク寒天を添え、口の中をさっぱりとリフレッシュできます。
金曜日
レモンの爽やかな風味で、唐揚げも食べやすくなっています。さつまいも入りの味噌汁でエネルギーを補いながら、野菜もしっかり摂れる組み合わせです。
土曜日
洋風メニューで気分転換。グラタンやスープでカルシウムとエネルギーを補給しつつ、マリネでさっぱりと食べられるよう組み合わせています。
日曜日
彩り豊かなちらし寿司と、塩麹焼きのやさしい味わいが楽しめる和食献立です。茶碗蒸しや白和えも添え、食べやすさと栄養バランスの両方を意識しました。
レシピ:ポテトグラタン
土曜日の献立で使用したポテトグラタンは、じゃがいもをなめらかに潰し、ホワイトソースとチーズを重ねて焼き上げる一品です。少量でもエネルギーとカルシウムをしっかり補給でき、洋風メニューとして気分転換にもぴったりです。
- じゃがいも 60g
- 玉ねぎ 25g
- ベーコン 20g
- ほうれん草 10g
- 牛乳 100g
- 有塩バター(具材炒め用) 10g
- 薄力粉 10g
- 粉チーズ 6g
- 塩 0.1g
- コショウ 0.1g
- 有塩バター(型塗り用) 1g
〈作り方〉
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下ごしらえ(じゃがいも):じゃがいもは皮をむき、一口大に切って耐熱ボウルに入れます。ふんわりとラップをかけ、600Wの電子レンジで約2分加熱し、竹串がすっと通る柔らかさにします。熱いうちにフォークやマッシャーでなめらかになるまで潰しておきます。
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具材とホワイトソース作り:具材を食べやすい大きさにカットします。フライパンに具材炒め用バターを入れて中火で溶かし、玉ねぎとベーコンを炒めます。玉ねぎがしんなりしたら、ほうれん草を加えてサッと炒め合わせます。弱火にし、薄力粉を振るい入れて粉っぽさがなくなるまで炒めたら、牛乳を少しずつ加えながらダマにならないよう手早く混ぜ、とろみがつくまで加熱します。最後に塩とコショウを入れて味を整えます。
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容器に盛り付ける:耐熱容器の内側に型塗り用のバター(1g)を薄く塗ります。容器の底に潰したポテトを敷き詰めて表面を平らにならし、その上に具材入りホワイトソースをたっぷりとかけます。最後に粉チーズを全体にまんべんなく乗せます。
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オーブン焼成:予熱したオーブン(またはトースター)で200℃・約5分、表面のチーズにこんがりと焼き色がつくまで焼いて完成です。
そふまる商品を組み込むことで、無理なくエネルギーを確保できる工夫
今回の1週間献立では、火曜日の「ミニカレーうどん」、木曜日の「牛焼肉」、金曜日の「鶏の唐揚げ甘辛あん」、日曜日の「ちらし寿司」に、そふまるの商品(★印)を取り入れています。また、ごはんはすべて「やわらかごはん」のエネルギーで計算しました。
品数の多い日や、手の込んだ料理が難しい日でも、そふまるの商品を組み合わせることで、エネルギーをしっかり補いながら食事づくりの負担を減らすことができます。
レシピ:鶏の唐揚げ甘辛あん(レモンだれかけ)
金曜日の献立で使用した「鶏の唐揚げ甘辛あん」は、そふまるの商品にレモンだれをかけるだけの簡単アレンジです。レモンの酸味が甘辛いあんに爽やかさを添え、食欲が落ちているときでもさっぱりと召し上がっていただけます。作り方の詳細は、こちらのレシピページをご参照ください。
毎日の献立づくりを無理なく続けるために
手作りと冷凍介護食を組み合わせる考え方
毎日すべてを手作りで、かつエネルギーもしっかり確保しようとすると、どうしても負担が大きくなってしまいます。手作りの日と、そふまるのような冷凍介護食を活用する日を組み合わせることで、エネルギー摂取の目安を保ちながら、無理なく食事づくりを続けやすくなります。特に、食欲が落ちやすい体調の優れない日ほど、あらかじめエネルギーを考えて作られた冷凍介護食が心強い味方になります。
そふまる「やわらかごはん」など、エネルギー補給を意識した商品紹介
今回の献立のベースとなっている「やわらかごはん」をはじめ、そふまるでは噛む力・飲み込む力に配慮しながらエネルギーを補給できる商品を豊富に取り揃えています。お肉を使ったメニューは「お肉のメニュー」、ごはん・麺類は「お米・麺のメニュー」からご覧いただけます。
まとめ
エネルギー不足のサインに早めに気づくことの大切さ
次のような変化が見られたら、エネルギー不足のサインかもしれません。
・以前より体重が減ってきた
・ごはんやおかずを残すことが増えた
・傾眠がちで、日中も活気がない
・少し動いただけで疲れやすくなった
こうした変化に気づいたときは、「量を増やす」ことにこだわらず、少量でもエネルギーを補える食材や献立の工夫から始めてみてください。
献立に迷ったときの選択肢としてのそふまる
エネルギーを意識した献立づくりは、毎日続けるとなると悩ましいものです。そんなときは、そふまるの冷凍介護食を選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。まずはさまざまな商品を少しずつ試せる「お試し12食セット」から始めていただくのもおすすめです。
ご本人もご家族も無理なく続けられる形で、毎日の食事づくりに向き合っていただければ幸いです。
お試し12食セット(送料無料)
人気のあるお肉とお魚のおかずに、リピートが多い「やわらかごはん」「やわらか鯛めし」を詰合せたお1人様1回限りの特別なセットです。全ての商品が塩分控えめなので高齢者の方も安心してお召し上がりいただけます。
¥5,800
詳細を見る監修者
上田 稚子(Ueda Wakako) 管理栄養士
大学卒業後、管理栄養士として亜急性期病院にて幅広いライフステージ、様々な疾患に応じた栄養指導をしてきました。現在は、名阪食品株式会社にて介護食ブランド「そふまる」の研究開発に携わっています。